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にしん(鰊)

「鰊御殿はまぼろしか?」
「おしん」は純国産ですが、ほとんど輸入にたよる鰊です。

名前の由来

かつて北海道の西岸に春になると押し寄せた群れは、サハリン系群といって、三陸沖から北海道、サハリンの間を大回遊し、3~5月になると接岸して昆布などの海藻に産卵します。このため、春告魚の名がつきました。

主産地、分布

北海道、サハリン、ロシア、カナダ、オランダ、イギリス、アメリカ

特徴

体形はマイワシに比べると平たくて、口は受け口で大きく、歯はありません。目は大きく、透明な脂質の膜(脂瞼)で覆われています。全長は30~40cm。寿命は普通10年ほどです。
番外:ニシンをアイヌ語由来の別名で「カド」と呼ぶため、「カドの子」が転じて数の子になったと言われています。
ニシンの大群が浜辺に押し寄せると、海の色が白く変わるといいます。これは群来(くき)といって、ニシンのオスが海中に放出した精子と飛び散ったウロコの色です。ニシンの精子は他の魚と違って、海水中で何日も生きられる性質を持っています。そのためメスとペアを組む必要がなく、産卵場にいっせいに放出するのです。一方、卵子は強い粘着性を持っていて海藻に付着します。これが漂っている精子と受精するわけです。卵(数の子)がびっしりと付いた昆布は、子持ち昆布として珍重されています。

まめ知識

ニシンは寒流の回遊魚ですが、その群はいくつもの系統に分かれ、それぞれ違った回遊をします。かつて北海道の西岸に春になると押し寄せた群れは、サハリン系群といって、三陸沖から北海道、サハリンの間を大回遊し、3~5月になると接岸して昆布などの海藻に産卵します。このため、春告魚の名がつきました。この他にも汽水湖で産卵する系群や回遊範囲の狭い系群などもいます。また、このように春に産卵のために回遊してくるニシンを春ニシン、夏に餌を求めて回遊してくるニシンを夏ニシンともいいます。
大西洋モノは脂含有量が10~15%もありますが、北海道モノとは違うヘリングです。

栄養素、旨み成分

肌や目の健康に欠かせないビタミンAや、骨の発育に必要なカルシウムの吸収・利用を促進するビタミンDも豊富に含みます。
たんぱく質、ビタミンB6・B12、鉄など血液を造り成分が豊富。
オイレン酸が多いので、脂場が多い割にしつこくない。たんぱく質が含有量は16%と他の魚より少なくうまみ成分のアミノ酸が少ないので、醤油ベースでアミノ酸を補うことで美味しくなる。

選び方

腹がしっかり、輝きがあり、ウロコがついている。目の内出血は漁獲時にたいてい起こしているので、鮮度の見分けにはなりません。鮮度が落ちるとエラぶたに血の滲みがあります。

食べ方

鮮魚は、塩焼きが一番,大根おろし醤油でどうぞ。味噌煮や味噌漬け焼き、他照り焼き、オイル焼き、蒲焼、味噌煮、三平汁。
身欠きニシンは、脂やけやクセを上手に抜いて、やや濃いめの味付けで脂肪を旨味に変えるのがコツです。ただし、生臭さがあるので鰊そばには堅干し(本乾)が向きます。
生干しは、米のとぎ汁に1~2時間つけて渋みを取り、良く洗ってから料理してください。
堅干しは、米の最初のとぎ汁に一晩つけて、タワシでよくこすって、ウロコをきれいに洗い落としてください。濃い味付けの時はこのままでもいいのですが、番茶でゆでて、クセを抜いてから調理すると更に美味しくなります。

料理のポイント

グリルで焼く時は裏が先:普通は盛りつけて上になる面から焼きますが、グリルは上から日が出るために、表面をパリッとさせるためには、最初に裏を三分焼いてから、表を七分焼くと良い。そして、後から焼いた方を表にして盛りつけます。

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